
製造業や物流現場では、日々多くの荷物をトラックやコンテナに積み込んでいます。
どの荷物を、どの順番で、どの向きに、どこへ置くか。
一見すると単純な作業に見えますが、実際の現場では、荷物のサイズ、重量、配送順、破損リスク、作業しやすさなど、多くの条件を考慮する必要があります。
特にユニットロードの積載計画は、熟練者の経験に頼る場面が多く、担当者によって積載率や作業効率に差が出やすい業務のひとつです。
ジーライブでは、こうした積込み計画の属人化を軽減し、積載率向上と作業効率化を支援するAIアプリケーション「積込みの達人」の開発・検証を進めています。
トラックやコンテナへの積込みでは、単に空いているスペースへ荷物を置けばよいわけではありません。
たとえば、現場では次のような判断が必要になります。
このような判断は、ベテラン担当者であれば経験的に行えます。
一方で、経験の浅い担当者にとっては、最適な積み方を短時間で判断することは簡単ではありません。結果として、積載率が下がったり、余分なトラックが必要になったり、積込み作業に時間がかかったりすることがあります。
トラックを1台減らせるだけでも、配送内容によっては数万円規模のコスト削減につながるケースがあります。積載計画の改善は、物流コストの削減に直結する重要なテーマです。

「積込みの達人」は、トラックやコンテナの荷台サイズ、荷物のサイズ・数量・重量などをもとに、AIが積載配置案を自動作成するアプリケーションです。
画面上で条件を入力すると、AIが積載率を高める配置案を作成します。さらに、現場担当者がドラッグアンドドロップで手動調整できるため、AIの自動配置と人の現場判断を組み合わせた運用が可能です。
完全自動化を前提にするのではなく、まずAIがたたき台を作り、人が必要に応じて微調整する。
この考え方により、現場で使いやすく、導入しやすい積載計画支援を目指しています。

積載計画をAIで行うためには、まず「どのような荷物があるのか」をシステムが把握する必要があります。
想定している基本的な方法は、商品マスタへの登録です。
事前に商品IDごとに、以下のような情報を登録しておきます。
このような情報を登録しておくことで、AIは荷物を単なる四角い箱として扱うだけでなく、現場ルールを考慮した配置を検討できるようになります。
将来的には、写真から荷物を認識する方法や、既存の基幹システム・倉庫管理システムから出荷予定データを取り込む方法も考えられます。
ただし、初期導入では、商品マスタやCSVデータ、Excelデータを活用して始めることで、現場への導入負荷を抑えやすくなります。
積込み計画で重要なのは、寸法だけではありません。
現場には、長年の経験から生まれた判断ルールがあります。
たとえば、「割れやすい荷物は上に置く」「重量物は床面に置く」「この商品は横倒しにしない」「納品順の都合でこの荷物は後方に置く」といったルールです。
こうした現場知は、AIにとって非常に重要な条件になります。
「積込みの達人」では、荷物ごとにルールを登録し、AIの配置計算に反映することを想定しています。
たとえば、以下のような条件を設定できます。
これにより、単なるテトリスのような空間最適化ではなく、現場で実際に使える積載計画に近づけることができます。
AIによる積載計画では、すべてを自動で完璧に決めることだけが正解ではありません。
現場では、荷物の状態、当日の作業者、荷台の状況、納品先の事情など、データだけでは判断しきれない要素もあります。
そのため、「積込みの達人」では、AIが自動で配置案を作成し、その後に人がドラッグアンドドロップで微調整できる運用を想定しています。
AIが得意なのは、膨大な組み合わせの中から効率のよい配置を短時間で見つけることです。
一方で、人が得意なのは、現場の細かな事情や当日の例外条件を判断することです。
AIと人の役割を分けることで、現場の実態に合った積載計画を作りやすくなります。
積載計画を作成した後は、現場作業者がその内容を見て作業できる必要があります。
そのため、配置結果をもとに積載指示書を自動作成する機能も重要です。
たとえば、以下のような情報を出力できます。
これにより、積載計画を作る人と実際に積み込む人の間で認識のズレを減らし、作業スピードの向上や積込みミスの低減につなげることができます。
「積込みの達人」によって期待できる効果は、単に積載率を上げることだけではありません。
積載計画業務そのものを標準化し、作業者によるばらつきを減らすことができます。
主な効果として、以下が考えられます。
AIが荷物のサイズや数量をもとに配置案を作成することで、空きスペースを減らし、トラックやコンテナの積載率向上を支援します。
積載率が向上すれば、同じ荷物量でも必要なトラック台数を減らせる可能性があります。トラック1台分の削減は、燃料費、人件費、外注配送費などのコスト削減につながります。
熟練担当者の経験に頼っていた積載計画をシステム化することで、経験の浅い担当者でも一定水準の配置案を作成しやすくなります。
手作業で考えていた配置をAIが短時間で作成するため、積込み前の計画作業を効率化できます。
配置図や積載指示書を自動作成することで、現場作業者への指示が分かりやすくなります。
商品マスタ、出荷予定、配送先情報、倉庫管理システムなどと連携することで、積載計画から出荷指示までを一連の流れとして効率化できます。
積載計画AIを現場で活用するには、既存業務との連携が重要です。
たとえば、出荷予定データが基幹システムに登録されている場合、その情報を取り込むことで、手入力を減らすことができます。
また、商品マスタと連携すれば、荷物ごとの寸法や重量を毎回入力する必要がなくなります。
想定される連携先は以下の通りです。
既存システムとの連携により、積載計画を単独のツールで終わらせるのではなく、物流業務全体の効率化につなげることができます。
AIによる積載計画は、さまざまな可能性がありますが、最初からすべての荷物に対応する必要はありません。
まずは、段ボールやケース品など、形状が比較的決まっている荷物から始めることが現実的です。
いわゆる四角い荷物であれば、寸法データをもとに配置計算しやすく、PoCや導入検証にも向いています。
その後、現場ごとの運用ルールや例外条件を追加しながら、より実用的なシステムへ拡張していくことができます。
ジーライブでは、最初から大規模なシステムを構築するのではなく、現場の課題に合わせて小さく検証し、効果を確認しながら段階的に拡張する進め方を重視しています。
今後は、積載率の自動計算や配置結果の可視化に加え、より現場で使いやすい機能拡張を検討していきます。
たとえば、次のような展開が考えられます。
積載計画は、物流コストや作業効率に直結する重要な業務です。
AIを活用することで、現場の経験を活かしながら、より効率的で再現性のある積込み計画を実現できる可能性があります。
ユニットロードの積載計画は、物流現場において重要でありながら、熟練者の経験に頼りやすい業務です。
荷物のサイズ、重量、配送順、破損リスク、積み下ろしやすさなど、多くの条件を考慮する必要があり、手作業だけで最適な配置を考えるには時間と経験が求められます。
「積込みの達人」は、AIによる自動配置と人による微調整を組み合わせることで、積載率の向上、属人化の軽減、積込み作業の効率化、積載指示書の自動作成を支援するアプリケーションです。
ジーライブでは、AIとシステム開発の知見を活かし、物流・製造・倉庫業務の現場改善につながるソリューションの開発を進めてまいります。
ユニットロードの積載率向上、積込み計画の効率化、物流現場のAI活用にご関心がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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